FXは、「Foreign eXchange」の略です。
直訳すると「外国為替」です。
exchange = 為替、交換、両替
また、丁寧に「外国為替証拠金取引」と訳されることもあります。
(この場合は「margin Foreign eXchange trading」の略です)
外国為替証拠金取引……、聞くだけで苦手意識を持ってしまいそうな言葉ですよね。
でも、実はまったく難しくありません。
「外国為替証拠金取引」は、「外国為替取引」と「証拠金取引」を合体させた言葉ですから、別々に理解すればよいのです。
両方いっぺんに理解しようとするから混乱するのです。
このページでは、まずは「外国為替取引」について解説します。
※「証拠金取引」については別の機会に解説します。
「外国為替取引」を理解して苦手意識を克服しろ!
もっと言うと、「外国為替取引」も、「為替取引」と「外国」を合体させた言葉に過ぎません。
苦手意識とは、食わず嫌いに似ていて、知ってみたら(食べてみたら)、簡単だった(不味くなかった)ということが多いものです。
それでは早速、いきましょう。
このページの目次
1.為替取引とは?
1-1.「為替」と書いて「かわせ」と読む?
「為替」という単語が、FXへの苦手意識をより高めている要因のひとつです。
そもそも「為替」と書いて、「かわせ」と読むことからして理解に苦しみます。
為替の語源・由来
為替は、現金と手形を交換させることから、動詞「かわす(交わす)」も連用形が名詞化された語で、中世には「かわし(かはし)」と言い、江戸時代に「かわせ(かはせ)」と言うようになった。
漢字の「為替」は当て字だが、「かえる(替える)」と「する(為る)」で、文字通り「変えることを行う」意味である。出典: 語源由来辞典
なるほど……、「当て字」かい!
1-2.為替取引とは現金と手形を交換してもらうこと
むかーしむかしのことじゃった……(為替の歴史を話し始めます)
江戸時代、江戸に住んでいる私が、大阪に住んでいるあなたに、100両を支払いたい場合どうすればよいでしょうか。
現代であれば、スマホひとつで一瞬にして送金できますが、当時はそうもいきません。
そこで「為替取引」の登場です。
- 私は江戸に住む両替商に100両を支払い手形と交換してもらい、この手形をあなたに送ります。
- この手形を受け取ったあなたは、大阪に住む両替商(江戸の両替商の提携先)にこの手形を持ち込み、100両と交換してもらいます。
- 「為替取引」を利用することにより、江戸の私が、大阪のあなたに、安全に100両を支払うことができました。
このように、日本では江戸時代から「為替取引」が大きく発達したと言われています。
為替取引の歴史は、「信頼できる人(両替商)に、現金と手形を交換してもらうこと」から始まったのです。
1-3.現代の為替取引
現代にも、「為替手形」や「郵便為替」など昔の形態を色濃く残すものもありますが、(先にも触れたように)スマホひとつで送金することも可能です。
銀行振込、口座引き落とし、クレジットカード払いなどの送金(支払い)手段もあります。
しかし、両替商が銀行に代わり、手形がクレジットカードに代わったようなもので、仕組み自体は変わっていません。
どれも広義では「為替取引」のひとつなのです。
現代における為替取引とは、「信頼できる人(銀行やクレジットカード会社など金融庁から許可を受けた人)が提供する仕組みを利用して、現金を移動(交換)してもらうこと」と言えます。
2.外国為替取引とは?
2-1.内国為替取引と外国為替取引
前記のような、国内で行われる為替取引を「内国為替取引」と呼称します。
一方で、国外で行われる為替取引、厳密には異なる通貨間で行われる為替取引を「外国為替取引」と呼称します。
真っ先に思い浮かぶのは「米ドル」と「円」ですが、必ずしも一方が「円」である必要はありません。
「英ポンド」と「米ドル」、「ユーロ」と「米ドル」、「米ドル」と「南アランド」などの間での為替取引も外国為替取引です。
2-2.あなたの身近にある外国為替取引
現代における為替取引とは、「信頼できる人(銀行など)が提供する仕組みを利用して、現金を移動(交換)すること」でした。
また、外国為替取引とは、「異なる通貨間で行われる為替取引」でした。
これらを前提に、あなたの身近にある外国為替取引の具体例を挙げてみましょう。
- 外貨預金
銀行などが提供する仕組みを利用して、異なる通貨を交換して預金する。 - 海外旅行へ行くための両替
銀行などが提供する仕組みを利用して、異なる通貨を交換して両替する。 - トラベラーズチェック(旅行小切手)
銀行などが提供する仕組みを利用して、異なる通貨を交換して小切手を発行する。 - 海外ネットショップでの買い物
クレジットカード会社などが提供する仕組みを利用して、異なる通貨を交換して買い物する。
いかがでしょうか。
どれも、あなたが気軽に利用している(できる)ものばかりですよね。
外国為替取引はあなたに縁遠いものでも、敬遠するものでもなく、とても日常的なものなのです。
FXも、あなたが勝手な苦手意識さえ持たなければ、難しいことなどありません。一緒に学んでいきましょう。
以上、今日は「外国為替取引」について学びました。